紫蘇は、秋の訪れと共に、綺麗な花を咲かせます。
そんな紫蘇の花や、後にできる種子も食べられるのかと思う方も多いでしょう。
実は紫蘇は、葉はもちろんのこと、花や種子も食用として利用できる非常に便利な植物です。
花を食べるのは、主に赤紫蘇です(刺身のつまなど)。
紫蘇は、葉から花、そして種子へと成長する過程で、それぞれ異なる食べ方を楽しむことができます
この記事では、主に、紫蘇の花と実(種子)をどのように食べるかについてご紹介します。
紫蘇の花(花穂紫蘇)
紫蘇の花、特に赤紫蘇は、花が少し開き始めた状態で収穫され、食用としても楽しまれます。
この状態のものを花穂紫蘇(はなほじそ)と呼びます。
柔らかい花穂は生で食べられ、その独特の香りを直接味わうことができます。
また、色鮮やかで、料理の彩りや薬味としてもぴったりです。
花穂紫蘇(はなほじそ)のおすすめ食べ方
花穂紫蘇(はなほじそ)は、刺身の装飾や様々な料理の彩りに最適です。
軸を持ちながら花を軸から摘み取り、薬味として使う方法があります。
例えば刺身に添えられた花穂紫蘇は、軸から花を削ぎ取り、その花を刺身醤油に混ぜ込むことで、刺身に繊細な香りを添えることができます。
紫蘇の葉に比べて、花穂紫蘇は控えめで上品な香りが特徴です。
また、和え物のトッピングや和風サラダに加えることで、料理の見た目を鮮やかにし、香りも楽しむことができます。
さらに、花穂を天ぷらにするのもおすすめです。
この場合、軸ごと使い、水で洗った後に天ぷら粉を薄めにして揚げると良いでしょう。
紫蘇の花が咲く季節
紫蘇は、春から秋にかけて成長し(主に夏)、植物の高さが10cmから30cmほどになる一年草です。
種を蒔くのは4月下旬から6月下旬までで、本葉が約10枚生えたころから収穫が可能になります。
紫蘇の花の見頃
紫蘇の花は、夏の終わりごろ、特に9月の初め頃から咲き始めます。
この時期、日の短さが花の咲く合図となります。
紫蘇の花は、稲穂のように多くの小花が密集して咲く特徴があります。
赤紫蘇の花は紫色、青紫蘇は白色の花を咲かせます。
花の次は、シソの実について見ていきましょう。
紫蘇の穂(穂紫蘇)とその収穫
紫蘇の花が咲いたあと、穂はゆっくりと成長し、茎は強く丈夫になっていきます。
この時期の穂を穂紫蘇(ほしそ)と称します。
花から穂が収穫できるまでは、1週間ほど。
茎が15センチメートルから20センチメートルに伸びたとき、ゴマのような実が形成されます。
この実がプチプチとした感触を持つようになれば、収穫の適切な時期です。
最適な収穫タイミングは、下部の花が散り、穂の先端に2〜3輪の花が残る程度のときです。
このとき穂がまだ緑色をしていることが望ましいです。
収穫が遅れると実が硬くなり食感が悪くなりますが(種になるので)、早すぎると実のジューシーさが足りなくなります。
紫蘇の実を使った料理
紫蘇の実は、葉と同様に良い香りがあり、カルシウム、ビタミンA、鉄分といった栄養を含んでいます。
料理に紫蘇の実を使う場合、先ほど紹介した収穫のタイミングと、下処理(あく抜き)がポイントになります。
実を指でこすると香りが出ますので、煮魚の香り付けや、「紫蘇の実の塩漬け」「紫蘇の実の佃煮」として加工するのがおすすめです。
これらは長期保存が可能で、白米に合うだけでなく、ピラフやパスタ料理の香り付けにも適しています。
まとめ
紫蘇の花も、食べることができます。
また、シソは、新芽から葉、花、そして実に至るまで、成長する各段階で様々な楽しみ方があります。
それぞれに適した使い方を探し、紫蘇の多彩な魅力を存分に味わってください。