新幹線の利用は、特に学生にとって大きな出費となります。
しかし、一定の条件下では学生割引と往復割引を同時に適用でき、より経済的に旅行が可能になります。
この記事では、その併用が可能な条件と料金計算方法について解説します。
新幹線の学割について
新幹線の学割は学生の経済的な負担を軽くし、学業やその他の活動をサポートするための制度です。
以下、その詳細を説明します。
学割証の取得条件
学割を利用するためには、中学生以上の学生であり、学割証を発行してもらえる教育機関に在籍している必要があります。
学割証は学校の教務課や、キャンパス内の証明書発行機から入手可能です。
学割の適用区間と割引率
学割は片道101キロメートル以上の区間で適用されます。
この区間はJRの公式サイトや「えきねっと」で確認でき、乗車券の価格から20%割引されますが、特急券には適用されません。
新幹線の往復割引の詳細
往復割引は往復のチケットを同時に購入する際に適用される制度です。
この割引の条件は以下の通りです。
往復割引の条件
往復割引を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 往復のチケットを同時に購入すること。
- 同一区間で片道601キロメートル以上であること。
- チケットの有効期間内に往復すること。
これらの条件を満たしている場合、たとえ往復のルートが異なっても割引は適用されます。
適用区間と割引率
往復割引の対象となるのは、601キロメートル以上の片道区間です。
この割引によって、乗車券の価格から10%割引されますが、こちらも特急券には適用外です。
新幹線での学割と往復割引の同時活用方法
新幹線を利用する際、学割と往復割引を組み合わせて使うことが可能で、これにより費用を大幅に節約できます。
特に長距離を移動する場合、この割引の併用が非常に有効です。
学割と往復割引の併用が可能な区間
学割は学生限定の割引で、片道101キロメートル以上の区間で乗車券の20%が割引されます。
一方で、往復割引は誰でも使用でき、片道601キロメートル以上の区間で乗車券の10%が割引されます。
601キロメートル以上の区間で両割引を適用すると、学生は乗車券の合計30%を割引されることになります。
割引適用の具体的な方法と計算例
学割と往復割引を一緒に使う場合の計算方法は以下の通りです。
- まず乗車券の価格に対して学割の20%を適用します。
- 次にその割引後の価格に往復割引の10%を適用します。
割引適用後の金額で10円未満の端数は切り捨てとなります。
以下に、具体的な料金比較を示します。
学割と往復割引の併用時の料金比較例
601キロ以上の区間における料金比較です。
- 東京-岡山:学割のみで15,630円、学割+往復割引で14,780円
- 東京-広島:学割のみで17,380円、学割+往復割引で16,430円
- 東京-博多:学割のみで20,990円、学割+往復割引で19,860円
- 名古屋-博多:学割のみで17,040円、学割+往復割引で16,130円
- 新大阪-博多:学割のみで14,060円、学割+往復割引で13,270円
- 新大阪-熊本:学割のみで17,440円、学割+往復割引で16,570円
- 東京-秋田:学割のみで16,010円、学割+往復割引で15,210円
- 東京-新函館北斗:学割のみで21,010円、学割+往復割引で20,040円
この比較からわかるように、学割と往復割引の併用は、通常の学割だけを使うよりも700円から900円程度安くなり、特に長距離での利用ではその割引効果が大きくなります。
新幹線の学割と往復割引チケットの購入・予約方法
新幹線の往復割引チケットは多様な方法での購入が可能ですが、学割を使用する場合は、学割証の提示が必須であり、主に駅の窓口で手続きを行うことになります。
駅のみどりの窓口でのチケット購入手順
学割を適用したチケットの購入には、「学割証」が必要です。
チケットを購入する際には、乗車駅と降車駅、利用する日時を窓口で伝え、往復割引の適用を希望することを明確に伝える必要があります。
これにより、学割と往復割引を同時に利用できます。
支払いは現金またはクレジットカードで行えますが、乗車時には本人確認のため学生証の提示が必要です。
オンライン予約の可否
えきねっとやスマートEXなどのオンラインサービスでは往復割引チケットの予約が可能ですが、学割を利用する場合、オンラインでの予約はできません。
これは学割証を提示する必要があるためで、学割と往復割引の両方を利用したい場合は、直接駅の窓口でチケットを購入する必要があります。
さらに、往復チケットを一括で購入することにより割引が適用され、帰路の特急券なども帰路の購入時に割引が適用されます。
これは利用者にとって非常に便利な点です。
学割と往復割引の組み合わせと他の割引との比較
往復割引を利用することで乗車券が10%割引され、さらに学生であれば学割を適用して合計30%割引を受けることができます。
では、これが他のチケットオプションと比較してどれほどお得なのか見てみましょう。
早割チケットとの比較
例えば、東京から岡山への移動に「EX早特21ワイド」を利用すると13,900円で利用できますが、学割と往復割引を適用すると14,780円になります。
また、新大阪から熊本へは「スーパー早特21」で14,340円、同条件下での学割と往復割引の利用では16,570円となります。
東京から新函館北斗へは「トクだ値14」で17,410円ですが、学割と往復割引を適用すると20,040円になります。
これらの例から、往復割引と学割を組み合わせた場合でも、特定の早割チケットの方が低価格であることが分かります。
チケットを購入する前には、他に安いオプションがないかを確認することが重要です。
新幹線パックとの価格比較
東京から岡山への「のぞみ」で往復割引と学割を利用し、さらに1泊(8100円として)する場合の総費用は37,660円です。
これに対し、「EX早特21ワイド」を使った同条件での旅行は35,900円、さらに新幹線パックを利用した場合は32,700円となります。
これは新幹線の片道料金が実質12,300円と非常に低価格です。
以下に料金の詳細をまとめます。
- 通常のきっぷ:43,640円(往復+1泊8,100円)
- 往復割引+学割:37,660円(往復+1泊8,100円)で通常きっぷより5,980円お得
- EX早特21ワイド:35,900円(往復+1泊8,100円)で通常きっぷより7,740円お得
- 新幹線パック:32,700円(往復+1泊8,100円)で通常きっぷより10,940円お得
この分析から、宿泊を伴う場合は新幹線パックを利用すると、往復割引と学割の組み合わせや早割チケットよりもさらにコストを抑えることが可能です。